
私がよく拝見してる「MYLOHAS.net」で試写状をいただきまして、1/19(土)から公開のフランス映画「ぜんぶ、フィデルのせい」を観てまいりました。
今回も、あまり下調べせずに行きました。
両親の考え方の変化に振り回される子供の心境を描いた作品、ぐらいに思って観ました。
なので、数年前に公開された「ぼくセザール 10歳半1m39cm」みたいな感じの映画なのかな、と想像。こちらは、10歳の男の子が、自分の両親や友達の家庭環境など自分の思い通りにならない事を「ちょっと恐いけど、勇気出して何とかしちゃおうぜ!」って冒険に乗り出しちゃう映画だった(と思う)。
ところが、この作品は事情がちょっと大きすぎて「何とかしちゃえる」レベルじゃない。1970年ごろ。当時のフランスに起こった社会的な変化に伴って、弁護士のパパと有名女性誌「マリ・クレール」の記者をしているママは、何不自由ない裕福な生活を捨て、共産主義へ走る。住まいも狭くなって、始終ひげを生やした男性たちやヒッピールックの女性たちが家にたむろし、学校では大好きな宗教の授業にも出られなくなった。「何でこうなるんだ!?」と主人公の女の子アンナは、いっつも眉をひそめている。
そしてアンナは結論にいたる。
話を総合すると、すべてはどうやら「フィデル・カストロ」っておじさんのせいらしい、と。
そうなんです、私、作品を見る前は「フィデル」って、主人公の女の子の名前かと思ってたんですが、事の発端となったキューバの革命家フィデル・カストロのことでした。作品を見終わると、このタイトルにすごく納得できる(笑)
この主人公の女の子ニナ・ケルヴェルちゃん、しかめっ面がめちゃめちゃかわいいです。ほとんど笑わないんですよ。なのに話が進むにつれて、このしかめっ面に出逢うたびに、何だかこ観てる方は、ニヤッって笑っちゃうの。オーディションで選ばれて初演技のはずなのに、堂々としてて自然にセリフを言ってるのがすごいなあ、と思った。
それから、アンナのお母さん役の女優さんジュリー・ドパルデュー。あの名優ジェラール・ドパルデューの娘さんです。お兄さんでイケメンのギョーム・ドパルデューより彼女の方がお父さんに似てる気がする。横顔から観た鼻の形とか、正面から見て、笑ったときの目の形とか。
えっと、もう1つ。この作品を撮ったジュリー・ガヴラスという女性の監督さん、発想の面白い人だなあ、と思いました。「子供の視点から、ある物事を捉える」というのは、よくある手法かなと思いますが、それを社会思想や家族の大本でもある両親の一族の歴史にまで掘り下げて、子供に考えさせ、それを子供特有のストレートな喜怒哀楽と辛らつさで描いてる。普通なら、「どうして、どうして」、「なぜ、なぜ」ってしつこくまとわりついたり、自分の考えをストレートに口にするアンナは、大人からすると煙たい生意気な子。でも、彼女くらいカワイクない子じゃないと、大人でも面倒くさいような1つの事柄をそこまで追求しない。監督の主人公のキャラ設定の奥の深さに、鑑賞後すごく感心しました。
「共産主義」とか「中絶は女性の権利」とか、何ともとっつきがたい難しげなテーマを、アンナと一緒になって、首をかしげながら再考できる、う~ん、一言で言うと、楽しんで歴史の勉強ができる作品、ってとこでしょうか(笑)
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